アルバイト⑥
こんにちは。
塔村です。
昨年4月から始めたレストランでのアルバイトがもうすぐ一年を迎えようとしています。いつ頃からか、お皿洗いだけでなく、少しずつサービスも任されるようになりました。
そこで今回はシェフから教わったことを書きます。
【所作】
お客様にお料理を運んだり、シルバーをセットしたり、済んだお皿やグラスをさげたりするとき、私はどうもパパッとやってしまいがちです。
その様子を見たシェフから、恥ずかしいのは分かるけど、ゆっくり落ち着いてサービスをすると高級感が溢れるよと言われました。
居酒屋などは迅速なサービスで回転率を上げ、お客様を満足させるのがうりです。しかし、私が働くフレンチレストランに来られるお客様はそれを求めているわけではありません。
お客様がわざわざ時間を割いてまで足を運ぶのは、単にお食事を楽しむだけでなく、サービスや居心地の良さも共に堪能するためです。
また同時に、お皿の上に乗っているだけがお料理ではなく、サービス、雰囲気、全てを含めてお料理なんだということ、そしてお客様は全てを含めたお料理に対して対価を払っているということを学びました。
私は、落ち着いたサービスが出来ない理由が本当に恥ずかしさだけからくるものなのか、と自分自身を見つめなおしました。
すると、恥ずかしさに加えて”次はこれやらなきゃ、あれやらなきゃ”という、先の先を考えることを意識しすぎるあまりせかせかしてしまい、落ち着いたサービスが出来ないという結論に至りました。
それをシェフに話すと、さらに以下のことを教わりました。
「ゆっくり丁寧に」は誰でも出来る。「素早く雑に」も誰でも出来る。でも「素早く丁寧に」を出来る人は少ない。「素早く丁寧に」とは、お皿や調理器具を洗うようなお客さんに直接触れない仕事は素早く、お料理をお出しするときや済んだお皿をさげるとき、グラスにお飲み物を注ぐときのようなお客さんにサービスをする仕事は丁寧にということだと。
また、アルバイトだからって思ってるかもしれないけど、お客さんからしたら料理人だろうがアルバイトだろうが同じ”お店の人”だからね。アルバイトであり、プロなんだよ。まなぼーはここのレストランの大事なファクターだから、と言われた。
先の先を考えるということを学び、それをクリアしつつある今の私にはそのさらに上のレベルが求められているんだなということを感じました。たしかに、お客さんの目に映ってより良いのは、きびきび仕事をこなし、かつ丁寧で落ち着いた高級感のあふれるサービスをしているお店の人だなぁと思いました。
なんでも仕事をパパッとこなせるのがいつも良いとは限らないし、それが全てではありません。
お皿の上のお料理の味だけを提供しているわけではなく、お客さんの目や耳、頭に残るお店の雰囲気、お店の人のふるまい=所作を含めた全てをお客さんに提供しているのです。
いつもいつも大切な事を教えてくれるシェフですが、先日も大手食品メーカーに勤められているお客様に「うちのエースのまなぼーです!」って紹介してくださってお話しする機会を与えていただきました。そのときに、「もっと前に出ろ!」とか「大きな声で喋れ!」とか言われて、そのお客様から「すごいね~、そんなこと言ってくれる人いないよ?」と言われ、改めて私はなんて恵まれた環境にいるんだろうと思いました。
ここでの経験が将来どのような形で活かされるか、活かしていけるかまだ私には分かりません。でもきっとどこかでこの経験に感謝するときがくると思います。そのために今はしっかりインプットしてたくさん学んでいきたいです。
私もこのレストランのひとつの柱であることを忘れずに、もっともっと良いサービスを提供していこうと思います。
さあー!今日も頑張るぞー!
それではまた次回。