まなたろぶろぐ

福岡大学卒 社会人2年目

古典を学ぶ!~源氏物語~

こんにちは。

 

塔村です。

 

今回は、あの超有名な平安時代の文学作品源氏物語を学んだことについて書いていこうと思います。

 

私たち4年生は昨年、哲学・旅・文学・音楽と教養を学び、たくさんの気づきを得ました。今年の3年生も同じように教養を学んでいるのですが、また違った教養祭りが繰り広げられているということで、私も一緒に混ざって古典の授業を受けてきました!

 

講師は、大阪工業大学情報科学部の横山恵理先生です。

 

1、そもそも『源氏物語』とは…⁉

源氏物語』って知っているようで、意外とちゃんと知らないですよね。”中学校の授業で習ったけど、中身のストーリーちゃんと知らないなぁ”なんて人は多いと思います。

 

ざっくり説明すると…

■作者:紫式部

■主人公:光源氏

■3部構成の物語

 第1部:光源氏の誕生から天皇になるまで

 第2部:光源氏が死ぬまで

 第3部:光源氏の子孫たちのストーリー

                    って感じ。

 

で、この第3部なんですが、テンポ良く描かれていて面白い側面もあれば、断片的でなんかしっくりこない消化不良な側面もあり、人によってはこれ書く必要あった?と思ってしまうようなストーリーになっています。

 

その第3部のメインキャラクターとなるのが、くん。実はこの薫くん、世間的には光源氏女三宮という女性の子供なんですが、本当は柏木(光源氏の息子の親友)と女三宮の子供なんです!今の時代じゃ考えられないようなドロドロした人間関係が源氏物語の面白い要素のひとつかもしれませんね。笑

 

2、薫くんと浮舟さん。その後は…⁉

薫くんは浮舟(うきふね)という名の美女と出会い、いい感じになりますが、薫くんの親友でありライバルの匂宮(におうみや)もまた、浮舟さんと良い感じになります。浮舟さんは”やばい、バレたらどうしよう”ってパニックになって、ついには自ら命を絶とうとしますが、お坊さんによって助けられます。

そこで浮舟さんは、”もう元の生活には戻れない…”と出家。

 

薫くんの耳には、浮舟が自殺をしたという噂が入ってきますが、ある日、浮舟を助けたお坊さんから「浮舟はまだ生きてるいる」ということを知ります。

 

そうと知った薫くんが弟を通じて手紙を出しますが、浮舟さんの意志は強く、薫くんの弟にすら会おうとしませんでした。

 

                    -完-

 

!?終わり!?

 

ざっくり、ざっくりとだけど、第3部のストーリーはこんな感じです。そして、とてもモヤモヤ、スッキリしない終わり方をします。 

 

3、結末がスッキリしないのになぜ作者は第3部を書こうと思ったのか⁉

横山先生からなんでモヤモヤした終わり方なのに第3部まで書かれてるんだろうねと問われ、たしかに…と考えました。

 

私は、昨年の文学の授業の時に「文学はエンターテインメントの一種」という気づきを得て、もしかしたら作者の紫式部は、読み手が様々な解釈ができるようにあえてモヤモヤした終わり方をしたのではないか、と思いました。

 

他の3年ゼミ生は、光源氏がいない世界を書きたかったのではないかモヤモヤを残し後世の人に考えてほしかったのではないか本当は第4部を書く予定だったのではないか、と推測していました。いろんな考え方があって面白いですね。

 

横山先生曰く、一説によると、紫式部が自分自身と浮舟を重ね合わせたのではないか、とも言われています。というのも、紫式部の人生はとても恵まれているとは言えず、あまり救われませんでした。紫式部のそのような人生と源氏物語のなかの浮舟の描写がどこか一致しているようにも捉えられるのです。

 

4、あなたならどんな続きを書きますか?

第3部のなんとも言えないモヤモヤした終わり方。もしその続編を書くとしたら、以上のストーリーをふまえて、「あなたならどんな続きを書きますか?」というお題をグループで考えました。

 

私たちのグループでは、紫式部が自分自身と浮舟を重ね合わせたのではないかという一説に焦点を当てて考えました。

救われたくても救われなかった紫式部が、その影の部分を浮舟さんに重ねて書いていたとしたら、終わり方として望ましいのは、救われた人生・輝かしい人生となるハッピーエンドなのではないかと思いました。”私もこんなふうになりたい”そんな希望を持って書いていたとしたらもう最高ですよね。

 

【オリジナル続編】

元の生活には戻らないと出家し、薫くんからのアプローチも頑なに拒否していた浮舟さんですが、薫くんのことは気になっていました。そんなある日、 夢で何者かによって「薫くんのところへ行ってもいいんだよ!」という後押しをされ、ついに薫くんに返事をします。ずっと浮舟さんを待っていた薫くんは大いに喜び、そして二人は結ばれましたとさ。ちゃんちゃん

 

やっぱりラブストーリーはハッピーに終わりたいですよね。紫式部もせめて作品の中の自分(浮舟)をハッピーにさせることができたら、少しはポジティブになれたんじゃないかな、なんて思います。

 

他にも、浮舟が亡くなったあと薫くんが(本当はお父さんじゃないけど)父・光源氏のようなチャラ男になってしまうとか、浮舟と薫くんが駆け落ちするとか、新たなライバルが現れて三角関係になるとか、いろんなアイデアがあってとっても面白かったです!

 

5、なぜ古典を学ぶのか。

 最後に。現代の人はなぜ古典を学ぶのでしょうか?

 

中学校とのきとか何気なく学んでたけど、たしかによく考えたらなんで勉強するんだろうって不思議です。

 

その答えとして、横山先生は「古典に参加するため」と仰っていました。今回私たちが”源氏物語の続編ってこうなんじゃない?”と考えてみたこと、それこそがまさに古典に参加することです。

社会情勢が反映されている作品を通して得る、その時代のことやその時代の人々の考えはもちろん大きな学びですが、それに対して自分はどう思うか、どう考えるのかと自分自身を見つめ直す良いキッカケにもなるのです。

 

 

平安時代から今もなお人々を魅了する『源氏物語』はとても面白くて奥深く、きっとこれから先もずっと人々にワクワクを与え続けてくれる作品なんだろうなと感じました。

そんな源氏物語の第3部の続編ストーリーを考えるのはめちゃくちゃ楽しかったです!

 

横川先生、森田先生、そしてこんな私を混ぜてくれた3年ゼミ生のみんな、本当にありがとうございました!!!

 

それではまた次回。