まなたろぶろぐ

福岡大学卒 社会人2年目

さあ、才能に目覚めよう⑤

こんにちは。

 

塔村です。

 

前回の続きです。

manataro1112.hatenablog.com

 

⦅第Ⅲ部 強みをビジネスに活かす⦆

第5章 疑問を解く

第5章ではこの本やストレングス・ファインダーに関する、これまで寄せられた質問に筆者が答えるという内容です。ここでは数ある疑問の中から私自身が一番気になったものを書きます。

 

弱点にはどうやって対処すればいいか

筆者は「多くの人が弱点にこだわっているが、弱点などさほど恐れなければならないものではない」と繰り返し述べています。それでもだからといって弱点をそのままにしておくと、何か問題が生じる可能性があります。そこで一番の得策は、”強みだけに眼を向けて弱点を無視するのではなく、強みに主眼を置いたうえで弱点に対処する方法を見つけること”です。では、弱点に対処する最も効果的な方法とは何でしょうか。

 

その前にまず”弱点とは何か”を知る必要があります。この本では弱点とは「すぐれた成果を得るのに妨げになるもの」と定義づけています。たいていの辞書には「進歩が望めない分野」と定義されています。現実に即して考えると、「進歩が望めない分野」はだれにでも数えきれないほどありますが、その大半が気にしなくてもいいものばかりなので、辞書の定義はひとまず忘れましょう。

 

では、自らの足を引っぱる弱点、すなわちすぐれた成果を得るのに障害となる弱点を抱えていることがわかった場合、どのように対処するのが最善策なのでしょうか。まず最初に、その弱点が技術に関する弱点か、知識に関する弱点か、才能に関する弱点かを見きわめる必要があります。その方法は消去法です。必要な知識と技術を身につけてもなお、標準以下の成果しか上げられなければ、あとはもう才能の欠如しか考えられません。この場合、その道で成果を上げようとするのは時間の無駄でしかないので、早々に見切りをつけ、より創造的な戦略を考えるべきです。

 

本書では、才能に関する弱点に対処するための創造的な戦略が5つ挙げられています。

 

戦略1 少しでもよくする

この戦略はさほど創造的とは言えないが、これしか方法がない場合もある。ほとんどすべての職務について最低限要求される行為というものがある。それは、自分の意見を相手に伝える、相手の話に耳を傾ける、約束をたがえない、自分の行動には責任を持つなどだ。もし優位を占める5つの資質に、〈コミュニケーション〉〈共感性〉〈規律性〉〈責任感〉のどれもなかったら、少しでもよくなるようただひたすら頑張るしかないだろう。それを怠ると、弱点がほかの分野のあなたの強みを阻害する可能性も出てくる。

 

戦略2 サポートシステムをつくる

整理整頓が苦手なあるマネジャーのサポートシステムは、ひと月に一度強制的に机の上から引き出しの奥まで完璧に片づけることだった。また、ある教師は集中力を持続させることができず、生徒全員の答案を一度に採点することができなかった。そこで彼女は、一度に採点する答案は5枚までと決め、5枚終わると机から離れてコーヒーをいれる、次に5枚採点すると今度は猫に餌を与えることにした。

思えば、人はみな才能に関わる弱点に対処する独自のサポートシステムを自然と身につけているのではないだろうか。それがどんな方法であれ、その有効性を見くびってはいけない。自分に投資できる時間はかぎられている。弱点を気にしなくてもいいサポートシステムがあれば、強みを育てることにより長い時間をかけることができる。

 

戦略3 才能の力で弱点に打ち勝つ

企業コンサルタントのマイク・Kはすぐれた講演者である。しかし、彼は生まれながらの講演者ではなかった。というのも4歳のころから、吃音癖がでてきてしまったのである。マイクがその吃音癖をとても恥ずかしく思っていたことは言うまでもない。彼の通っていた学校では、最上級生は全員一度は朝礼の時間に全校生徒のまえで朗読するという慣例があり、ある朝その順番がマイクにまわってきた。彼の頭の中にはこれから演じてしまう大失態のことしかなかった。しかし、突然奇跡は起きた。まるでことばそのものが意思を持っているかのようにとぎれることなく最後まで読みきったのだ。そして、不可解で、信じがたいことながら、彼は朗読を愉しんでいた。

いったい何が起きたのか。マイクはまえに立ったときのことを思い出した。朗読を始めるまえ、先生や生徒たちを見渡し、一人ひとりの顔を見ていると、不思議と力が湧いてきたのだ。すると、自分は人前で壇上に立つのが好きなのだと思うことができ、その思いはやがて確信に変わった。ストレングス・ファインダーの用語でいうと、マイクは〈自我〉と〈コミュニケーション〉の資質に恵まれていたのである。壇上に立ったとたん、それまでの生活でできなかったことができるようになり、内に秘めた思いを解き放つことができ、自らを表現することに成功したのである。

マイクは才能を磨いて武器にすることで、弱点から自らを解放したのである。だから、弱点を克服するにもやはり才能を活かすことを心掛けてほしい。

 

戦略4 パートナーを見つける

卓越した実践者の中には、足りない部分を同僚と補い合って成功を収めている人も何千人といる。彼らは、自らの強みと弱点についてつぶさに説明できるだけでなく、だれなら自分の弱点を補ってくれるかということもちゃんと把握している。印象深いのは彼らが弱点を分析したことではなく、弱点を潔く認めたことだ。人に助けを求めるというのは、むしろ強い人にしかできない行為なのではないだろうか。

 

戦略5 とにかくやめてみる

実際にはする必要のないことをしようとして、時間も信用も尊敬も失うというのはよくあることだ。それはなぜか?奨励されるからである。

卓抜した実践者はみな、こうした型にはまった順応を拒否した人たちばかりだ。そんな彼らのアドバイスはこうだ。「やめるといい。そして、あなたがやめたことをだれか一人でも気にしているか見てみるといい。実際、やめてみると、驚くことが3つあるはずだ。だれもそんなことなど気にかけていない。まわりからどれほど賞賛の眼で見られるか。どれほど気分がとくなるか。この3つだ。」

弱点を認め、厄介な弱点との闘いに敗れたことを白状してしまうのである。それで、逆にまわりからの信頼と尊敬を勝ち得ることもあるということだ。

 

 

この5つの戦略はすべて、強みを中心に据えた人生を築くのに役立つものです。ただ、これらの戦略を用いたからと言って、弱点が強みになるわけではありません。これらはあくまで強みを活かす障害になりそうな弱点に対処する方法でしかないのです。

 

これらの戦略は実践するとなると、案外容易でないかもしれません。しかし、世のアドバイスの常として、より創造的で、目的がより明確なら、それはより効果的なアドバイスということです。

 

[まとめ]

・弱点=すぐれた成果を得るのに妨げになるもの

 ・弱点に対処する方法

→まず自分の弱点が技術・知識・才能のうちのどれに関する弱点かを見きわめる

・才能に関する弱点に対処するための創造的な戦略

①少しでもよくする、②サポートシステムをつくる、③才能の力で弱点に打ち勝つ、④パートナーを見つける、⑤とにかくやめてみる

 

それではまた次回。