さあ、才能に目覚めよう②
こんにちは。
塔村です。
前回の続きです。
⦅第Ⅰ部 強みを解剖する⦆
第2章 強みを築く
・完璧に近い行為はどんな行為も自然と畏怖の念を喚起する
→強みを発揮するのには、相手を威圧しようなどと思う必要はない
・強みが人の心を惹きつけるのは、「完璧に近い」ということに加えて「常に」という点が重要
・強みを築く上で必要な知識
①事実に基づく知識、つまりコンテンツ
②経験によって身につく知識
→このどちらかが欠けても強みを築くことはできない
→しかし、この二種類の知識は両方とも天性の才能とは関係がない
・技術は経験に基づく知識の体系化をもたらす
→どんな分野であれ、賢明な人間は、何かをする際、どこかで一歩退き、蓄積したすべての知識を段階(たどっていけば、飛び抜けてすぐれた成果とはかぎらなくとも、とりあえず満足のいく成果に導いてくれる筋道)に変える
・技術が持つ欠点
①技術を身につけても才能がなければ、失敗は避けられるかもしれないが、栄光への道は開かれない
②分野によっては段階に分けられないものがある
・強みを築くのに必要なものとしての才能とは「繰り返し現れる思考、感情、および行動パターンであり、何かを生み出す力を持つ資質」
第2章では、第1章で触れた知識、技術、才能について、より具体的に述べられています。ここからは”才能”に関してもう少し詳しくみていこうと思います。
なぜ才能は一人ひとり独自のものであり、永続的なものなのか
肝臓や腎臓、皮膚などはすべて、赤ちゃんのときは小さく、体が成長するにつれて次第に大きくなります。しかし、脳だけは逆の現象が起きます。
なぜ脳だけが逆の現象を起こすのでしょうか。
それは「シナプス」が関係しているからです。シナプスとは、脳細胞同士がコミュニケーションを取るための脳細胞の接合部で、一つの脳細胞が受けた刺激を別の脳細胞に伝える役割を果たし、このシナプスが一人ひとり独自のパターンを生み出す回線をつくっています。だから、繰り返し現れる個々の行動パターンを知るには、この回線について知る必要があるということになります。
要するに、このシナプスが才能を生み出すのです。
では、シナプス結合はどのように形成されるのでしょうか。
人間は1000億個のニューロンを持ってこの世に生まれてきます。また、脳では、生まれる60日前、ニューロンが互いにコミュニケーションを取ろうとしはじめ、ニューロン同士がつながります。うまくつながれば、そこにシナプスが形成されます。驚くべきことに3歳の時点で1000億個のニューロンが互いに連結し、1つのニューロンにつき1億5000個のシナプスがすでに形成されているのです。
しかし、回路は使われないと、やがて修復不能になり、脳のあちこちで多くの回路が壊れはじめます。そして、16歳頃には、回路の半分が使いものにならなくなってしまいます。さらに、壊れた回路はもう二度と再生できないのです。
では、どうして多大なエネルギーを要する回路が形成されながら、その大半が衰えたり、死滅したりするのでしょうか。
それは、選ばれた回路を有効利用させるためです。そのために、何十億ものシナプスを失うことを我々に強いるのです。回路の減少こそむしろ重要なことなのです。
私はこれは間引きと同じ原理だなと思いました。栄養を十分に行き渡らせるために敢えてある程度抜き取り、選ばれたものたちを元気に育たせるのです。
才能というものはあまりにも身近にありすぎるので、あたかもそれが常識であるかのように思ってしまいます。しかし、実際には、我々の意識はみな一人ひとり異なってきます。だから、世の中の事象に対する考え方、感じ方も当然一人ひとり異なってきます。それは、我々の意識(繰り返し現れる思考、感情および行動のパターン)がその人独自の脳内回路によって生み出されるものだからです。
個人差というのは、人種や性別、年齢に起因するものではなく、たいていの場合、脳内回路の機能のちがいによるものなのです。
[まとめ]
・才能は一人ひとり独自のもの
→脳内回路によって生み出されるため
次章に自らの脳内回路がどのようになっているか正確に把握する「才能を見つける鍵」が述べられているので、今回はこのへんで。
それではまた次回。