まなたろぶろぐ

福岡大学卒 社会人2年目

情報設計ワークショップ

こんにちは。

 

塔村です。

 

金曜日の3、4限に飛田ゼミにお邪魔してワークショップを行いました。UXデザインについて学ぶということで、株式会社アジケの梅本さんにお越し頂きました。

ajike.co.jp

 

まずはじめに、”具体と抽象”について。具体と抽象、馴染みのある言葉すぎて、改めて問われるとスッて答えられない自分がいました。哲学的思考がまだまだな証拠です。そこで飛田ゼミの学生さんが「具体は、自分の経験から見出したある特定のモノ。抽象は、みんなが思っているモノの定め。」と言っていて、そうかもしれないと思いました。

では、デザイナーが使っている具体と抽象とは何でしょうか。以下の図のように、具体から抽象までそれぞれの形に分けられます。
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デザイナーは、骨格(UI)からトレース、つまり、この工程をたどっていきながら戦略を読み取らなければなりません。

戦略を読み取るには情報設計が必要です。これはデザイナーだけではなく、例えば、自分の強みはなんだろうと考える私たちにも同じことが言えます。抽象的なものをまず分解して、それらを分類し、組織化することで具体的にするのが、情報設計です。

 

今回はこの情報設計のワークショップをカードソーティングを用いて行いました。カードソーティングとは、参加者がカードに書かれたそれぞれのラベルを分類し、分類した結果を分析、そしてその情報を整理するというUX調査手法です。この手法によって、該当分野に対する知識が構造化でき、ユーザーに分かりやすく伝えるための情報表現技術を作成することに役に立ちます。

難しそうに聞こえるけど、やってみるととても楽しかったです。まずはグループで様々な犬種のカードから”つながり”を書き出しました。動物、4本足などの共通点から平均寿命やしっぽの形などの相違点までたくさん見つけ出しました。


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隣のグループと交換すると、トリミングが必要かどうか、飼いやすいかどうかということも書かれていて、自分たちでは思いつかなかった意見を吸収することができ、さらに考えが深まりました。このように「分ける」は、「分かる」ための第一歩になります。

次に、自分たちが”犬カフェを開くとしたら”について話し合いました。ターゲットを絞り、その人たちが得られる体験を考え、そのためには犬たちをどう並べるか分類しました。犬たちを並べるときに最初に行った分類の軸を上手く活用します。私たちはじっくり考えすぎて2つしか思いつきませんでしたが、濃い内容になったと思います。既存の犬カフェでは面白みがないので、他にない新たなアイデアを考えました。

①大型犬カフェ

ターゲット:大型犬を飼いたくても環境面や経済面から飼えない家族

シチュエーション:犬と遊んで癒されたいとき、休日など時間ができたとき

カフェに求められること:実際に飼っている状況を想定した空間づくり→飼っている気分を味わえる価値

分類の軸:サイズ(大型犬)、性格(おだやか、人懐っこい、遊び好き)

②非日常を体験できる犬カフェ

ターゲット:Mな人、非日常を体験したい人

シチュエーション:いじめられたくなったとき、つまらない日常に刺激が欲しくなったとき

カフェに求められること:犬に噛まれたり、吠えられたりする→いじめられたい、刺激が欲しいなどの欲求が満たせる価値

分類の軸:見た目(怖そうな感じ)、色(黒っぽい)、性格(警戒心が強い、ケンカ好き)

 

ステップ1と同じく、隣のグループと交換したことで、これまた自分たちでは思いつかなかった発想を得ることができ勉強になりました。若者をターゲットにした映画やドラマの世界を実写体験ができる犬カフェや高齢者をターゲットにしたドッグセラピーカフェなど、需要ありそう!って思いました。

最後に、ステップ2で考えた内容を基に犬カフェをオープンする想定で具体的に案を練りました。選ばれたのは、②の非日常を体験できる犬カフェでした。梅本さんに”非日常”をもっと具体的にすると分かりやすいかもとアドバイスをいただきました。そこでペルソナを考えました。35歳独身サラリーマンの彼は、日頃の仕事の忙しさで溜まったストレスを発散したいけど、そこまでお金はかけたくない。Mな性格で動物が好き。


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非日常=普段しないこと、かつストレスが発散できることと考えたとき、男性の場合キャバクラとかなのかなーとなり、でもこのペルソナの男性はコスパ重視⇒キャバクラと比べてリーズナブルな犬からいじめられるカフェで欲求が満たされ、ストレスも発散されるという結論に至りました。 キャバクラに行くと生じる(であろう)罪悪感もないし、友達がいない人でも十分楽しめるのではないかと考えました。

ユーザーのニーズに応えるため、以下の3つの切り口を考えました。

・スタンダードコース→吠えられる、唸られる、あまがみ

スペシャルコース→(スタンダード+)噛まれる、蹴られる、飛びつかれる

スペシャルフルコース→2匹スタート、スペシャルより激しめにできるオプション付き

また、犬たちを分ける分類は、サイズ気性の荒さを軸としました。
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ということで、サービス名は「キャバクラじゃなくて犬カフェin六本木」です。コンセプトは、非日常を体験できる場所です。ターゲットは、いじめられたいMな人や、刺激が欲しい人ですが、その他にも、何かの罰ゲームとしてなど団体でワイワイ盛り上がりたい人たちにもニーズがあるのではないかと考えました。

課題点としては、洋服が破れる可能性や怪我の恐れがあることです。また、入りにくいという抵抗を持つ顧客もいるかと思うので、そこらへんも工夫が必要なのかなと思いました。あと、森田先生からキャバクラって何するところ?何を目的に行くの?と聞かれ、色々考えると、非日常=キャバクラという例えが実はあんまりよくなかったのかなと思いました。キャバクラに行く人は金使ってる自分かっこいいと思われたいとか、女の子を育てたいとか、ちやほやされたいとか、お話を聞いて欲しいとかっていう欲求を満たしたいというのが大半だと考えられるから、それは犬カフェでは賄えないか、と思いました。

 

2コマを使ってWSを行いましたが、普段接点のない他ゼミの学生の意見や考え方に触れることができたり、カードソーティングという知らなかった手法を使って楽しく話し合いができたり、とても有意義のある時間となりました。講義を欠席してでも参加してよかった!と思いました。

面白いアイデアが考えついたのは嬉しかったですが、店のオーナーとして果たしてこのサービスが儲かるのかとか、他にも怪我などの課題点があるので、ビジネス的に考えられるよう脳みそを鍛えたいです。

 

株式会社アジケの梅本さん、飛田ゼミの皆様、本当にありがとうございました。

 

それではまた次回。