まなたろぶろぐ

福岡大学卒 社会人2年目

UX Night -入り込んじゃうコミュニティって?-

こんにちは。

 

塔村です。

 

昨夜、森田先生主催のイベントに参加してまいりました。忘れぬうちにまとめたいと思います。

 

まずUXってなんや!ってとこですよね。

「UX=User Experience」はユーザーが特定のサービスを使ったときに得られる経験や満足など全体をさす用語です。また、UXデザインとはユーザーがサービスの目的に共感して、ポジティブな体験・満足を得られるようにユーザーの感情・行動・態度をデザインすることです。

f:id:manataro1112:20180621094821j:image

IKEAのUXデザインを具体例にあげると、調査から最近は食卓できちんと食事をとる人が減っているということが分かりました。その代わりにソファやテレビの前、ベッドの上などラフに食事をとるスタイルにシフトしつつあります。そこでIKEAはそのユーザーの満足度を高めるため、食器に工夫を施したのです。多少不安定な場所でも食事が楽しめるよう、こぼれにくく持ちやすい食器を新たに売り出したのです。

f:id:manataro1112:20180621094855j:image

as is ⇒今どういう状況か(現状)

to be ⇒今後どうなっていくか(理想)

ユーザーの利用状況を把握することで、どうしたら満足してもらえるかが見えてきます。だからまずはどうなっているのかを”知る”ことが大切です。

 

もうひとつ大切なのは一枚目の写真の左下にもありますように、「導く」よりも「促す」。要はユーザーに当事者意識を持ってもらえるかどうか。こうしてください、ああしてください、と説明する前にユーザー自らがアクションを起こすような、自然と狙っていた方向に促されるようなことをするのがUXデザインをするうえでとても大切なことです。入り込んじゃうってそういうことですね。

 

そんなUXデザインで素晴らしい結果を残し今後もますます成長し続けるであろう「Rapha」というサイクリングアパレルブランドのRapha Japan代表 矢野大介さんがお話をしてくださいました。

 

Raphaはイギリスのサイクリングブランドで、日本には東京・大阪に常設店があり、現在福岡にも期間限定でお店を出されています。普通ならその会社や企業が自分たちを語りますが、Raphaはユーザー(サイクリスト)がRaphaを語るくらい当事者意識が高すぎる集団なのです。

 

そもそもRaphaはどのようにして出来たのか。創業者がサイクリングをする時に自分が着たいと思えるウェアがなかったことが始まりだそうです。幸運にも個人投資家3人から創業者の考え方が面白い、興味深いと評価され、2千万円を得ることができ、その資金でまずはウェアのサンプルを作りました。しかし、それをいきなりどかどか売るのではなく、自転車の展示会を開催しました。そこに来られたサイクリストから共感を持たれ、結果的に顧客を得ることができたのです。そうしてRaphaのコミュニティは出来上がりました。

 

ではそこからどうやって当事者意識高すぎる集団まで成長したのか。その答えのヒントを矢野さんのお話の中で得ることができました。

①直接が一番

②人それぞれニーズが違う

③コミュニティを残す

 

ひとつずつみていきましょう。

①直接が一番

驚くべきことにRaphaには代理店や取扱店舗が存在しません。それは間にクッションが入らないため、とてもリスキーになります。しかし、一度代理店を構えると方向性にズレが生じたり、誤解を生んだりする可能性がでてきます。だからRaphaではそのようなことが起きないようにリスクを負ってでも何から何まで自分たちでやるのです。その結果、自分たちが伝えたいメッセージを顧客に直に伝えることができ、より高いメッセージ性へと発展していくのです。

 

また、社員全員がサイクリング経験者というのもRaphaの特徴的な経営理念です。大半の企業は多様性を重視して経験者、未経験者が共に働き、それぞれの観点から分かるメリット・デメリットなどを参考に商品やサービスを創り上げます。しかしRaphaはあえてそうしません。実はそのほうが効率的だからです。自転車に限らず、趣味とか自分の好きなことというのは、誰かに教えられるわけではありません。いくら教えても、興味・関心がない人は興味・関心がないまま。たしかに、未経験者がRaphaに入社後、何かのきっかけで自転車にハマり込むなんてこともあるかもしれません。しかし、みんながみんなそうではない。そう初めから分かっているからこそ経験者だけを採用するのです。レースに出るようなガチ勢から趣味程度の人まで、経験値にはそれぞれ差がありますが、少しでも触れたことがあるのと全くないのとではやはり違います。Raphaの広告動画にはモデルではなく、社員自らが出演しています。というのも、元々ちょっとカッコイイの撮ろうぜって始めて出来たのがたまたま素晴らしい動画になって広告として使われるようになったそうです。そういうところからも無駄のなさが伝わりますし、社員自らが顧客に直接影響を与えているのだと思います。   

 

②人それぞれニーズが違う

何事もそれを始める動機や目的、楽しみ方は人それぞれです。例えば、顧客にもウェアの機能性を重視する人やデザインを重視する人、価格を重視する人など様々です。いくら性能が良い製品でもデザインがイケていないと売れないことだってあります。それは必ずしも顧客全員がレースに参加するというわけではないからです。だからRaphaではアンケートをあまりとらないそうです。アンケートをしたところでやはり人それぞれ考え方や感じ方が違って、その全てに応えるのは非常に難しいからです。

 

では何をしているのか。ずばり、何もしていません。もちろんイベントなどの大まかな枠組みはRaphaが設定しますが、それ以上の細かいところはあえて何も手を加えないのです。何もしないことでユーザーは自由度が与えられ、変に縛られていないから色々なアイディアが生まれてきます。そうすることでユーザー自身が動きやすくなります。ここで既にユーザーは当事者意識を持っているので、次々とコミュニティが拡大したり、新たなコミュニティが生まれたりするのです。

 

③コミュニティを残す

 では、人それぞれニーズが違う中で生まれたコミュニティをどうやって残していくか。それには「人との繋がり」が欠かせないと考えます。RaphaにはRapha Cycling Club=RCCがあり、そのメンバーは世界中にいます。ニーズが違うとはいえ、自転車を通じてできたコミュニティです。自転車という共通点をもって出会った「人との繋がり」はやはりコミュニティを残すことにおいて重要です。

 

RCCのメンバーはメンバーの地元、例えば地方に行き、サイクリングを楽しむことも少なくないそうです。そこには”自分の地元に来てほしい!良さを知ってほしい!”という思いから、その土地を知り尽くしたメンバーが他のメンバーを案内します。「来て楽しんでくれて、地元の良さを共有できて嬉しい!」「来てよかった!今まで知らなかったけどこんなにいい場所があるんだ!」と地元の人と来た人との繋がりが結果的にお互いの満足に繋がります。こうしてRaphaが導かなくともRCCメンバーは自ずと促されているのです。

 

矢野さんもおっしゃっていましたが、地元の人から受けるおもてなしほど贅沢なことはありません。特に海外なんかはそうです。私はこの夏フランスに行きます。一年次に国際交流会館で過ごした時に出会ったフランスからの留学生に案内してもらう予定です。文化も習慣も言葉も違う(特にフランスは英語圏ではない)国へ行くことにワクワクと同時に不安ももちろんあります。そんな時に現地の友達がいるというのは、心強くもあり本当に幸せなことです。友達が福岡大学にいたのはたった半年でしたが、今もこうして仲良くしてもらっていることに「人との繋がり」って大切だなと改めて感じます。なんかコミュニティを残すとかUXとかとはあまり関係ないかもしれませんが、矢野さんが話されていた時 うわめっちゃ分かる~ って思いながらぶんぶん頷いてたので書いておきます。笑

 

【まとめ】

①直接が一番 → 高いメッセージ性

②人それぞれニーズが違う → あえて何もしないことで自由度を与える

③コミュニティを残す → 「人との繋がり」が必要不可欠

 

Raphaは以上の3点を持ち合わせ、かつそれらを創業から自分たちを信じて変えずにやり続けているため、サイクリスト自身が思わず入り込んじゃうような当事者意識高すぎる集団が生まれたのだと考えます。

 

 

昨日ゼミの子に(名前を出していいのか分からないからゼミの子ってしておく笑)、なんでそんなにブログ書けるの?って聞かれてその時は「なんか分からないけど謎の使命感があるから」って答えたけど、帰り道になんでだろって改めて考えてみたところ自分でも驚くべき回答にたどり着きました。それは私が森田先生に「導かれた」のではなく「促された」から。先生は昨夜のイベントのイントロで”UXデザインは教育の場でも言えることだが、なかなかそれが難しい”とおっしゃっていました。でも私まんまと先生のUXデザインのユーザーになってますよ!

 

先生は”ブログを書く”という大きな枠組みをゼミ生に与えました。でも別に講義のことを書けとかバイトのことを書けとか指示したわけではありません。しかし、言語化はいいぞって全面に押し出しているから、色々書いてみようかなと始めてみたところ、今まで一ミリも興味がなかったことに関心を持ったり、好きなことをより掘り下げてみたり、ミスとか失敗を何故そうなってしまったのかと原因と改善策を考えてみたり。言語化めっちゃいいやんって経験して、私はそれにどんどん入り込んじゃいました。だからめんどくさいとかは全然思わなくて、森田先生により促されこうなったのかな、と気付きました。私をいつの間にか"ブログで言語化する良さ"にのめり込ませてしまう先生ってやっぱり凄い。昨夜のイベントを主催するだけ何か持ってらっしゃいます。まだゼミ活動は本格的に始まってませんが、既に森田ゼミで良かったなとブログを通して思います。でもやっぱり私はまだまだクズ人間なのでもっともっとやれることやりたいと思います。

 

大人の方がお金を払っているなか無料でイベントに招いていただきありがとうございますとこの場をお借りしてもう一度お礼を言いたいと思います。貴重なお話を聞けて充実した時間を過ごせて今後のやる気にも繋がりました。

 

それではまた次回。